最近、炊飯器で作るチャーシューがひそかに人気を呼んでいます。
フライパン、煮込み鍋、圧力鍋、電子レンジなどを使って作ることもできますが、炊飯器での作り方はなんといっても手軽です。
レシピ・作り方
材料も調味料もスーパーで普通に入手できるものばかりなので、思い立ったその日にチャレンジできるのも魅力です。
豚かたまり肉はスーパーの特売日で100g98円ぐらいの安いものでも十分美味しくできます。
こってりタイプがお好みならばバラ肉、あっさりタイプがお好みならば肩肉がおすすめです。
初心者だともも肉はパサつきがちなので、ある程度作り慣れてから挑戦してみた方が良いかもしれません。
もし、大きな炊飯器を持っているならば、バラ肉と肩肉を同時に投入して味比べをしてみるのも面白そうです。
豚かたまり肉は煮崩れしやすいので必ずタコ糸でしばるようにしますが、はじめのうちはすでにしばってあるものを使うようにすると良いでしょう。
炊飯器に豚かたまり肉、しょうが、にんにく、ねぎの青い部分、醤油、みりん、料理酒を入れたら水をヒタヒタになるまで注いで炊飯のスイッチを押します。
調味料の配合はお好みにもよりますが、鍋で作る時のように何mlも必要ありません。
大さじ2から3程度を肉と水の分量によって調節しましょう。
1時間ぐらいで完成しますが、竹串やフォークをさして赤い肉汁が出てくるならばまだ中まで火が十分に通っていません。
もう一度炊飯のスイッチを押して追い炊きしましょう。
竹串などをさして透き通った汁が出てくる状態になればOKです。
炊飯器クッキングというと他にもいろいろとありますが、チャーシューもぜひおすすめです。
醤油や肉のにおいが染み付いてしまうのではないかと心配する人も少なくないようですが、そんなことはありません。
普通に洗うだけですぐにとれますし、次にご飯を炊いた時にもにおい移りなどはありません。
ただ、チャーシューができあがった後にいつまでも保温の状態にしておくと、確かににおいが染み付いてしまいます。
それだけではなくチャーシューそのものもかたくなってしまうので、できあがったらすぐに取り出して汁ごと別の容器に移すようにしましょう。
粗熱がとれたら冷蔵庫に入れて一晩そのままにしておくとさらに美味しくなります。
できれば二三日味を染み込ませるのもおすすめです。
食べる時には温める前に冷たいうちに切り分けるようにしましょう。
チャーシューの切り崩れを防ぐには冷たいうちにカットするというのは覚えておいて損のないコツです。
おいしくなるコツと豆知識
炊飯器で作るチャーシューが人気を集めています。
作り方も簡単ですし、材料も調味料も少なくてすむのが人気の秘密なのでしょうか。
そもそもなぜ炊飯器がチャーシュー作りに向いているのか、その原理について解説します。
チャーシューはいうまでもなくかたまり肉で作ります。
肉というのは中心温度を60~65℃にキープしたままで焼くともっとも美味しくできあがるという性質があります。
たとえば、パーティー会場などでパッと目を引くバラ色のローストビーフもこの適温を保たなければ実現できません。
豚肉の場合もこの温度で調理することによって見た目も味も最良になるのです。
ただ、豚の場合はレアというわけにはいきません。
60~65℃を長時間保ちながらシッカリと火を通す必要があります。
それに最適なのが炊飯器なのです。
しかし、炊飯器が60~65℃を保つのが得意だとしても、かたまり肉の最初の温度が低すぎては最良のパフォーマンスを発揮することはできません。
冷蔵庫から出してすぐに炊飯器に入れるのではなく、必ず常温に戻した後に使用するようにしましょう。
炊飯器クッキングが終了したらすぐに食べてもかまいませんが、そうするとどことなく物足りなさを感じるはずです。
それでは味の染み込み具合が不十分だからです。
たれの味は肉が冷める課程で染み込みます。
必ず1時間は休ませるようにしたいところですが、一昼夜ほど漬け込むとまるでプロのような味わいになることでしょう。
しっかりと火が通ったかを確認する方法として、竹串やフォークをさして透き通った肉汁が出てきたら……とはよくいわれますが、赤味が残っているのか透き通っているのか判断に迷うこともあります。
そんな時には指で押してみて弾力でチェックするというやり方もあります。
よく焼けた肉というのは、親指と中指で輪を作った時の親指の根本ぐらいの弾力になります。
もし、焼けていなかったらそのままもう一度炊飯モードで炊いてもかまいませんが、中火で熱したフライパンに移して表面を焼き、火をとめてフタをしてしばらくそのままにしておくというやり方もあります。
この時、焼き過ぎるとかたくなってしまうので適当なところで必ずストップするようにしましょう。
このように、炊飯器で美味しくチャーシューができあがるのには理由があるのです。
いいかえれば、低温でじっくりコトコト煮ると良い料理にはすべて炊飯器を代用できるということでもあります。
じつはおでんも上手に作れるので、寒い冬の夜にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。