日本でよく見かけるのは「焼豚」ですが、中国ではチャーシューのことを「叉焼」と書きます。
この2つは違いがあります。
チャーシューは中国料理の一つですが、日本のチャーシューと中国のチャーシューには違いがあります。
その違いについて紹介しています。
チャーシューの漢字表記「焼豚」と「叉焼」
チャーシューと一言で言っても、漢字にすると「焼豚」と書く時と「叉焼」と書いている時がありますね。
お店などでよく目にするのは「焼豚」の方だと思いますが、違いがあるのでしょうか?
違うとするとどう違うのでしょうか?
日本では「焼豚」の方が馴染みがありますが、本来は「叉焼」という漢字で書くそうですよ。
中国では「叉焼」と書きます。
下味をつけた豚肉に専用のタレを塗って、窯でじっくりと焼いた中国料理のことを「叉焼」と言います。
中国において古くから伝わる豚肉料理の一つです。
「叉焼」は脂身の少ない豚のもも肉を、赤いタレでじっくり焼きます。
「焼豚」も本来ならこのように作ったものを指すのですが、日本ではちょっと違った作り方をしたものを「焼豚」と呼んでいることもあります。
日本ではタレをつけて焼くというより、肉に塩やこしょうをすりこんで、しょうゆやニンニク、しょうが、ネギなどを入れて煮るといった方法で作られることが多いです。
ほとんどのラーメン店はこの手法で作るものを「焼豚」と呼んでいます。
実際は焼いているというより煮ているので「煮豚」と呼ばれることもあります。
これを日本ではチャーシューと呼んでいるのです。
日本では「焼豚」という方が意味が通りますよね。
しかし中国では「叉焼」と書きます。
この漢字の「叉」にはどのような意味があるかというと、肉の焼き方を意味しているようです。
「叉焼」の語源は中国語で「串焼き肉」を意味する「叉焼肉」からきているようです。
正式には「叉焼肉」と書くようですが、実際には「叉焼」でチャーシューのことをさしているようです。
「叉焼肉」の作り方は日本のチャーシューと少し違います。
まず豚のヒレ肉もしくは肩ロース肉を塩・こしょうで味付けをして、紅糟(ホンザオ)という中国の調味料をすりこんで一晩置きます。
一晩置いたら、洗わず紅糟を手で落とし、オーブンで焼きます。
串を刺した肉を40~50分程度、赤い肉汁がなくなるまで加熱し、一度取り出して水あめやハチミツを塗って、表裏を1分ずつ焼きます。
チャーシューは本来はこのように作るものなのですね。
それで「叉焼」と書くようです。
日本でも「焼豚」と書くため、チャーシューというのは、豚を焼いたもの、と認識している人が多いかと思いますが、実際は煮て作っているもの。
しかし中にはオーブンやバーナーで焼いたものもあるようです。
機会があれば本場、中国に行って本当の意味での「叉焼」を食べてみるといいでしょう。
日本と中国のチャーシューの違い
チャーシューは中国から伝わった料理です。
しかし、中国のチャーシューは「叉焼」、日本では「焼豚」と書かれることからも分かるように、中国のチャーシューと日本で言うチャーシューには違いがあります。
どのような違いがあるのでしょうか?
中国で言うチャーシューは、バラ肉かもも肉のブロックに紅糟と呼ばれる中国の調味料を塗って、焼いたものです。
串に刺して専用の炉の中に吊るして焼いたものがチャーシューです。
広東料理においてはハチミツの代わりに麦芽糖やコーンシロップなどを塗って焼くので、比較的甘さが印象に残ります。
同じく広東料理では、チャーシューを使った饅頭などの点心もあります。
チャーシューの専門店も数多くありますよ。
香港や中国では、家庭でチャーシューを焼く時に使う「叉焼醤」という調味料もあるそうです。
中国においても各地域によって焼き方や味つけが異なります。
北方地方では直火焼きをしたり、南方地方では色素で赤くしたり、また水餡を塗って照りを出したりする地域もあります。
中国で使われている調味料の紅糟は、もち米に紅米、麹を入れて酒を造った時に出る酒粕のことです。
香りづけや消臭、防腐作用があると言われている調味料で、魚や豚、鶏の煮込みのほか、漬物にも使われるようです。
日本には豚を刺して焼ける炉などは用意できないため、鍋やフライパンなどで煮て作ることが多いです。
本当なら焼豚ではなく煮豚と言った方が正しいかもしれません。
中には焼いて作っているお店もあります。
日本ではチャーシューというとラーメンの具材として食べることが非常に多いですね。
他には中華まんやチャーハンの具材として使われることも多いです。
日本で本格的なチャーシューを食べたいと思ったら、中華街などに行ってみるのもいいでしょう。
または、中国のチャーシューのレシピもありますよ。
日本で作るチャーシューと違うのは、紹興酒や甜麺醤などを入れることと煮るのではなく焼くことです。
ただし、中国のように専用の炉はないので、叉焼というわけにはいきませんが、フライパンや鍋で焼くことで中国のチャーシューに近いものができるでしょう。
また、焼き上がった豚肉に水飴を塗って焼くことで、キレイな照りもできます。
また、五香粉といった中国の代表的な香辛料を使うのもオススメですよ。
五香粉はシナモン、クローブ、フェンネル、八角、カホクザンショウ、陳皮などの粉末を混ぜて作られている調味料です。
本場のチャーシューを作ってみるのもオススメですよ。