「今治焼豚玉子飯(やきぶたたまごめし)」は、愛媛県今治市の有名ご当地グルメです。
こちらでは、焼豚玉子飯の有名店や、自宅で作れるレシピを紹介します。
こちらの内容を参考にして、今治市のソウルフードをぜひとも体験してみてください。
今治のソウルフード!焼豚玉子飯
愛媛県今治市のソウルフードでご当地グルメの筆頭である「今治焼豚玉子飯」。
現在では今治市の約60店舗のお店で食べられるようになり、地元の人から愛され観光客からも好評の料理になっています。
今治焼豚玉子飯が誕生したのは約50年前のことで、初めは市内の中華料理店「五番閣」のまかない料理でした。
現在このお店は閉店していますが、五番閣から独立した料理人の手によってメニュー化されたことで現在にも残されてきました。
このソウルフードが誕生した時の姿は、疲れた料理人が手早く栄養をとることを目的とし半熟の玉子焼きと焼豚の切れ端に焼豚のタレをかけたものでした。
メニュー化されたことで口コミで話題となり、主に男子中高生に人気でよく食べられていました。
現在は今治市内に約60店舗もある今治焼豚玉子飯を扱うお店ですが、それぞれの店舗ごとにこだわりがあり、焼豚の厚さ・焼豚の部位・玉子・タレの濃度などで少しずつ違いがあります。
なので、いくつか店舗を巡って食べ比べたとしても全く同じ味がするということがないのも魅力。
そして、この料理の大きな特徴のひとつに「提供がとても素早い」点があります。
これは今治の人たちの気質によるためで、料理が早く提供されなければ気が短いために我慢できなくなってしまうのです。
したがって、ソウルフードについても同じく提供スピードの速さが求められ、さらに旨い・安い・ボリュームがあることを前提とされています。
そんな素早い提供を前提としたメニューなので、いたってシンプルな料理になっています。
まず丼にご飯をよそってお店ごとの方法でスライスされた焼豚をのせたあと、半熟玉子をその上にのせてタレをかける、それだけです。
時間がかかったとしても数十秒程度で提供がかなうメニューでさらにおいしいため、今でも愛され続ける料理になっています。
今治市のお店で食べるなら正しい食べ方も知っておきましょう。
まず、注文してすぐ提供されたら使う道具はお箸ではなくレンゲです。
そして目玉焼きの黄身をつぶさないよう上手に半分に切ります。
次にその片方の黄身はつぶしてその下のチャーシューとご飯と一緒にぐちゃぐちゃにしておいしくいただきましょう。
ぐちゃぐちゃに混ぜた半分を食べ終えたら、もう半分も同じように混ぜて食べれば完食。
しかし必ずこのとおりに食べなくては今治の人から白い目で見られるということではなく、自分自身がおいしいと思う食べ方を実践しても構いません。
焼豚玉子飯の有名店「重松飯店」
今から約50年ほど前に誕生した、今治のソウルフード「今治焼豚玉子飯」は現在今治市内の約60もの店舗で食べることができます。
しかしその中でも有名店と言われるのが今治駅から徒歩15分のところにある「重松飯店」。
B-1グランプリがきっかけで一躍有名になったお店で、実は焼豚玉子飯をメインとしたお店ではなくふつうの中華料理店。
ふだんお客さんとして訪れるのは地元の人たちが多く、中華定食やラーメン、チャーハンの方がメニューでも目立っているほどです。
お店のたたずまいはまさに地元に愛されるお店という雰囲気。
昔ながらの中華料理店ののれんや入口の雰囲気にどこか懐かしさを感じさせてくれます。
有名店というと、どこか敷居が高いと感じられたり店主に遠慮しなくてはならない雰囲気があったりする場合もありますが、重松飯店は全くそのような雰囲気はなく、接客が丁寧で心配りがうれしいと実際立ち寄った人からも口コミが寄せられています。
一度訪れたら、より一層重松飯店と焼豚玉子飯を有名にしたくなります。
重松飯店で出されるこの今治のソウルフードは、ごはんをのせて焼豚をのせ、さらに黄身が二つの目玉焼きをのせてタレをかけたオーソドックスなもの。
そこにわかめスープがついています。
このお店の特徴はタレがたっぷりかかったしっかりとした味付け。
男性は特に気に入る、がっつり系の味わいがあります。
もし食べ方にとまどった時でも、席には食べ方の説明書きがカラーの写真入りで置かれているのでその真似をすればOK。
事前学習してしっかり食べ方を覚えておく必要はありません。
ちなみに重松飯店では、単品で焼豚玉子飯を注文することも可能ですがラーメンセットのセット内容に選ぶこともできます
せっかくなので、地元の人たちも愛するラーメンと一緒に食べてみるのも一つの旅の思い出になります。
セットにした場合は単品よりも小ぶりになるのでペロッと食べてしまえそうな量。
男性であればお酒を飲んだあとのシメに選んでもしっくりくるメニューです。
重松飯店でお酒も飲めるので、先に一杯済ませてからラーメンセットに移るという食べ方もアリ。
単品を選んだ場合、平日なら大盛にすることができます。
これはボリュームを重視する今治人の気持ちをくんだサービスのひとつ。
しかも価格がとてもお得でさすが有名店。
地元の人だけでなく県外からもわざわざ訪れる人がいることにもうなずけます。
また、お昼時にはお店の前に行列ができることもあるので並ぶことを考えて出かけた方がイライラせずにすみます。
おうちで作れる焼豚玉子飯のレシピ
できあがりまでが非常に速い、しかもおいしいと魅力がつまった今治のソウルフード「焼豚玉子飯」。
市内の店舗で食べることもできますが、自宅で自分で作っていただくことも可能です。
焼豚玉子飯を現地で食べてはまった人も、B-1グランプリで気に入った人も、またまだ食べたことがなくて気になる人もチャレンジできる簡単なレシピを紹介します。
まず用意する道具は、小なべ・フライパン・フライ返し・丼・スプーン。
必要な食材は、市販品または手作りした焼豚を薄切り4枚・卵1個・あたたかいご飯を1膳よりやや多め。タレづくりに必要な調味料は、しょうゆ大さじ3・みりん大さじ2・砂糖大さじ1.トッピングとして塩コショウや青ネギもあるといいです。
焼豚を手作りせずに市販品を使う場合は、タレを作る手間をかけるだけでほとんど調理は終了してしまう忙しい時にも重宝するレシピです。
初めはタレを作りますが、小なべにタレの調味料をすべて入れて混ぜ半量になるまで煮詰めていきます。
タレができあがったら丼にご飯を盛り付けてタレをかけますが、この時円を描くようにしてかけていくのがポイント。
ただしかけすぎは辛くなるため三重くらいまでにとどめましょう。
次に分量外のサラダ油大さじ1を熱して焼豚を軽く焼いたあと、タレをかけたご飯の上にのせます。
ご飯がチャーシューで隠れてしまうように並べましょう。
そして先ほどチャーシューを軽く焼いたフライパンで目玉焼きを作ります。
より本格的にご当地B級グルメを再現したい場合は卵を2個使って目玉焼きを作るとより本格的に。
目玉焼き作りで気を付ける点は、必ず半熟にすることです。
半熟でなければソウルフードのおいしさが全く違ってきてしまうので注意しましょう。
また目玉焼きにも多めに塩コショウをしてしっかりした味付けに。
半熟の目玉焼きができあがったらチャーシューの上にのせましょう。
最後にタレをかけ、小口切りにした青ネギをトッピングしたらできあがりです。
青ネギは現地でもかけられていないお店もあり、必ず必要というわけではありません。
初めは青ネギ抜きで食べてみて、残り半分に足してみるという食べ方もできます。
焼豚玉子飯の本場、今治市でもチャーシューの具合やタレの味つけなどはさまざま。
なので、自宅で楽しむ時もお好みの焼豚を手作りして好きな甘辛さのタレを用意すれば自分だけのご当地グルメが味わえることになります。
焼豚の作り方は実にさまざまなので、かけたい時間や手間ひま、チャーシューの量などをお好みで調整すると何通りもの楽しみ方ができます。